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糖尿病治療の漢方薬は保険適用される?1ヶ月あたりの費用は?

糖尿病治療の漢方薬は保険適用される?

この記事を見ているあなたは、糖尿病治療における漢方薬の費用が保険適用されるか気になったのではありませんか。また、1ヶ月あたり漢方薬にかかる費用も気になりますよね。

この記事を見ることで、糖尿病治療における漢方薬の費用が保険適用されるか分かります。糖尿病になった際の治療にかかるお金への不安を抱えている方におすすめの記事です。

この記事の内容をまとめると

  • 糖尿病治療において内科や糖尿病内分泌科などで使用される漢方薬は、基本的に保険適用
  • 保険診療で使用されるのはほとんどがエキス製剤で、現在約150処方が厚生労働省の承認を取得し保険適用となっている
  • 1ヶ月あたりの漢方薬にかかる費用は、自費で煎じ薬を使用する場合は15,000〜30,000円程度かかる。エキス製剤は保険適用されるため、1種類あたり600円〜1,600円程度
目次

糖尿病治療の漢方薬は保険適用される?何種類まで?

漢方薬というと高価なイメージがありますが、血糖値が上がるのを抑えられるなら使ってみたいと考えている糖尿病患者さんもいるのではないでしょうか。漢方薬には公的医療保険(健康保険)が適用されるケースと適用されないケースがあります。予想外の出費を避けるためにも、漢方薬の保険適用条件をしっかり確認しておきましょう。

糖尿病治療の漢方薬は保険適用される?

内科や糖尿病内分泌科などで使用される漢方薬は、基本的に保険適用です。漢方薬には生薬をそのまま使う煎じ薬(または散剤・丸薬)と、煎じ薬をエキス化して顆粒や錠剤に加工したエキス製剤があります。保険診療で使用されるのはほとんどがエキス製剤で、現在約150処方が厚生労働省の承認を取得し保険適用となっています。

ただ、煎じ薬も保険適用されないわけではありません。漢方薬の材料である生薬のうち約190種類が保険適用を認められているため、生薬を煮出して飲む煎じ薬も理屈のうえではその多くが保険適用なのです。しかし実際には、生薬の価格が高騰していることから保険診療では採算が合わず、自由診療(保険適用外)で取り扱われることが多くなっています。

保険適用外での処方は費用負担が大きい反面、良質な生薬を使用できたり未承認の生薬を選択できたりといったメリットもあります。西洋薬が体質的に合わず煎じ薬を試したい、未病のうちに対処したいという人は、自費での使用も選択肢に入るでしょう。

糖尿病治療の漢方薬が保険適用されるのは何種類まで?

漢方薬が保険適用されるのは何種類まで、という明確な決まりはありません。しかし、漢方薬の併用は一般的に2剤までが目安とされています。なぜなら、漢方薬は1剤に複数の生薬が使用されており、多剤を処方すると同じ生薬が重複する可能性があるからです。

特に甘草(かんぞう)は多くのエキス製剤に含まれ、多剤を併用すると1日の摂取量が増えがちです。甘草の摂り過ぎは、高血圧やカリウム喪失を引き起こす「偽アルドステロン症」の原因となります。偽アルドステロン症を発症すると、低カリウム血症によりインスリン分泌不全となり、結果的に糖尿病が悪化する可能性もあるのです。

ただし、3剤以上でも医師がその必要性を認め、医学的判断で処方しても問題ないようであれば、カルテへの症状詳記により保険適用での処方が可能です。

血糖値を抑える漢方薬は?糖尿病で飲んではいけない漢方薬は?

最近はドラッグストアでも気軽に漢方薬を購入できますが、糖尿病の人が飲むと血糖値が上がる可能性のあるものも存在します。血糖値に影響を与えるもの、糖尿病患者さんが飲んではいけないものを把握して、安全に漢方薬を使用しましょう。

血糖値を抑える漢方薬は?

漢方薬には血糖値を抑える効果だけを狙うようなものはありませんが、地黄・人参・麦門冬・葛根などの生薬は血糖値を下げる効果があるとされています。

しかし漢方薬は心身を総合的に捉えてバランスを整え、自然治癒力を高めるのが得意分野であり、血糖値を急激に改善するようなものではありません。そのため糖尿病治療の際は、西洋薬で血糖値を抑え、肥満の改善や随伴症状の軽減に漢方薬を併用するような使い方が主流です。

糖尿病の人に処方される漢方薬には、次のようなものがあります。

肥満(小太り)の人

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • 大柴胡湯(だいさいことう)

肥満(水太り)の人

  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
  • 五苓散(ごれいさん)

口喝がある人

  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

手足のしびれがある人

  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)

東洋医学では喉が渇き多食にもかかわらず痩せる状態を「消渇(しょうかつ)」といい、これが現代の糖尿病だと考えられています。とはいえ、食べても痩せるというのは病状が進んだ状態であり、糖尿病初期も同じ治療が適しているわけではありません。糖尿病患者さんの状態はひとりひとり異なるため、糖尿病治療に漢方薬を取り入れたい場合は必ず医師に相談しましょう。

糖尿病で飲んではいけない漢方薬は?

生薬の「麻黄(まおう)」は交感神経刺激成分であるエフェドリンを主成分とするため、グリコーゲンの分解を促進して血糖値が上がる可能性があります。

麻黄を含む漢方薬には、風邪薬としておなじみの葛根湯やダイエットに使用される防風通聖散などがあります。とはいえ、一般的な使用量であれば血糖値への影響は少ないとされているため、過度に危険視する必要はありません。医師の処方であれば糖尿病治療薬との飲み合わせも考慮されています。

ただ、自己判断で漢方薬を使用する際は注意が必要です。更年期太りに効果がある、悪玉コレステロールを下げる、血圧を下げるなどの口コミを見れば、市販の漢方薬に興味がわくこともあるでしょう。しかし糖尿病治療薬と漢方薬の飲み合わせが悪いと、低血糖を引き起こすなどのリスクもあります。

漢方薬の費用はいくら?1ヶ月あたりの値段は?

漢方薬を使用するうえで費用がいくらかかるのか、大体の目安を知っておきたいという人も多いのではないでしょうか。この項では漢方薬にかかる費用を、自費で煎じ薬を使用する場合と、保険適用でエキス製剤を使用する場合に分けて紹介します。煎じ薬とエキス製剤どちらを選ぶか迷っている人も、ぜひ参考にしてください。

漢方薬の費用はいくら?

保険適用外の漢方薬局で漢方薬を購入する場合、煎じ薬1日分で大体500円~1,000円ほどかかります。ただ、使用する生薬によりかかる費用は異なるうえ、漢方薬局間で価格にかなりばらつきがあります。また、薬代とは別に相談料がかかる漢方薬局もあります。一方、病院・クリニックで処方されるエキス製剤は比較的安価です。

ツムラのエキス顆粒(医療用)を例に価格を見てみましょう。

名称薬価1包(7.5g)の価格
防風通聖散9.2円/g69.0円
大柴胡湯22.4円/g168.0円
防已黄耆湯9.7円/g72.75円
五苓散13.8円/g103.5円
白虎加人参湯17.8円/g133.5円
牛車腎気丸11.8円/g88.5円
八味地黄丸9.9円/g74.25円

上記の漢方薬の場合1日1包を使用するのが基本なので、1包の価格=1日分の費用と考えて差し支えありません。

漢方薬の1ヶ月あたりの値段は?

自費で煎じ薬を使用する場合、使われる生薬にもよりますが1ヶ月あたりの費用負担は1万5,000円~3万円ほどになります。ただ先述したとおり、漢方薬局により価格設定が異なるため必ずこの範囲に収まるというわけではありません。

保険適用(3割負担)でエキス製剤を使用する場合の1ヶ月あたりの費用負担は、以下を参考にしてください。なお、記載されているのは薬剤のみの価格であり、処方箋料や調剤料などは含まれません。

名称30日分の負担額(3割)
防風通聖散630円
大柴胡湯1,530円
防已黄耆湯630円
五苓散900円
白虎加人参湯1,170円
牛車腎気丸810円
八味地黄丸630円

自費の煎じ薬と比較してみると、保険適用のエキス製剤は費用負担がかなり抑えられることがわかります。しかし煎じ薬には自分に合わせてカスタマイズしてもらえるというメリットがあります。エキス製剤と煎じ薬、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分に合うものを選択しましょう。

漢方薬の使用が保険適用になる保険ランキング3選【徹底比較】

いかがでしたでしょうか。糖尿病治療における漢方薬の費用が保険適用されるかについて紹介してきました。この記事のまとめはこちらです。

糖尿病治療において内科や糖尿病内分泌科などで使用される漢方薬は、基本的に保険適用される。保険診療で使用されるのはほとんどがエキス製剤で、現在約150処方が厚生労働省の承認を取得し保険適用となっている。

1ヶ月あたりの漢方薬にかかる費用は、自費で煎じ薬を使用する場合は15,000〜30,000円程度かかる。エキス製剤は保険適用されるため、1種類あたり600円〜1,600円程度かかる。

糖尿病にかかると今回紹介した治療にお金がかかるのはもちろん、場合によっては入院や手術などを要する場合もあります。そんな際に多額の出費が出てしまう方におすすめなのが糖尿病保険です。気になる方は糖尿病保険の詳細を下記で説明して比較しているのでクリックしてみましょう。

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