「ダイエットで糖尿病が治るって聞いたんですけど、本当ですか?」これは糖尿病の方からよく聞かれる質問です。
確かに、ダイエットと聞くと体に良さそうなイメージがありますよね。でも本当に糖尿病がダイエットで治るのでしょうか?
ダイエットと糖尿病の関係を解説していきたいと思います。
ダイエットで糖尿病は治るの?
残念ながら、糖尿病は完治しない病気です。
ですがダイエットによって血糖コントロールが良好になり、通常通りの生活ができるようになる方も多くいらっしゃいます。
一般的に、体重を5%落とすことで血糖値の改善効果がみられると言われています。(1ヵ月あたり実体重の5%、標準体重まで継続することが理想)
ダイエットが糖尿病におよぼす影響
ダイエットは、現在でこそ「単純な減量」という意味になっていますが、本来は「健康を維持するための食事療法」を意味していました。
糖尿病の方はまず、血糖値をコントロールするために食事に気を遣う必要があります。
この時に大切なのが『単純に減量する』ではなく『自分の適性体重に近づけること』です。
最初に大きすぎる目標を掲げては続かないものです。
体重の5%も、すぐに落とす必要はありません。
急激な体重の変化は体に負担をかけてしまうので、1ヵ月で1キロを目安に減量していきましょう。
ダイエットも方法を間違えると悪影響
ダイエットが糖尿病に良いと言っても、極端なダイエットは体に悪影響です。
少し前に炭水化物抜きダイエットが流行しましたが、炭水化物を抜いてしまうとエネルギーに必要な糖分を全て脂肪で補うようになるため、ケトン体とよばれるものも一緒に生成されてしまい、アシドーシスの危険性が高まります。(血液中のpHが酸性に傾き、意識障害などが起こります。)
また、体重と一緒に筋力も落ちてしまいます。筋肉が落ちると、糖がスムーズに代謝されず、すい臓に負担を強いることになります。
加えて、近年は炭水化物抜きダイエットによって認知症のリスクが高まるとも言われています。
自己流のダイエットもリスクが高いのでご注意を。
糖尿病に関連する本や雑誌を読んでいると『●●大学の研究チームにより〇〇ダイエットが糖尿病に効果があると判明』といった見出しを見つけ「自分もやってみよう」と自己流でダイエットを始める方がいます。
しかし、こうした研究は医師の指導のもと、厳しい健康チェックが行われる中で実施されているものです。
自己流でダイエットを始めても、専属の栄養士や医師が毎日体調をチェックしてくれるわけではないので、危険度が高まります。
どんな健康法であっても、やり過ぎたり、方法を間違えたりすると体に悪影響を及ぼします。
ダイエットと糖尿病の関係・まとめ
ダイエットによる減量で血糖コントロールが改善すれば、糖尿病であっても通常通りの生活ができるようになります。
ですが、そのために大切なのは「健康的に適性体重を維持」すること。
とにかく減量だと息巻いて、急激に体重を落としたり、自己流のダイエットをすると、かえって血糖コントロールが悪化したり、他の病気を招く原因にもなりかねません。
ダイエットをするさいは、かかりつけの医師や管理栄養士、薬剤師(糖尿病療養指導士)に相談しながら、定期的な検査と治療の継続が絶対に必要です。
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