はじめに|糖尿病と食事療法の重要性
糖尿病は、血糖値が慢性的に高い状態が続くことで、体にさまざまな影響を及ぼす病気です。日本では生活習慣病のひとつとして広く知られており、患者数は増加傾向にあります。厚生労働省の平成28年国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる者は約1,000万人、糖尿病予備群も約1,000万人と推計されており、合わせて約2,000万人が糖尿病に関わる状況にあります(出典:厚生労働省 平成28年「国民健康・栄養調査」の結果)。
糖尿病の怖さは、症状そのものよりも、長期にわたり血糖値が高い状態が続くことで心臓病や脳卒中、腎臓病、網膜症などの合併症が進行する点にあります。
そこで近年、糖尿病の食事療法のひとつとして注目されているのが「糖質制限」です。この記事では糖質制限の考え方やメリット・リスク、取り入れ方を解説し、さらに医療費の備えとしての「糖尿病保険」にも触れていきます。
- 糖質制限は血糖値改善や体重管理に有効である
- 過度な制限は栄養不足や体調不良を招く恐れがある
- 医師・栄養士の指導のもと適切に取り入れる方が良い
- 経済的な備えとして糖尿病保険の活用も重要である
要約: 糖質制限は糖尿病の血糖管理と肥満改善に効果的だが、極端な制限は健康リスクを伴うため注意が必要。専門家と相談しながら無理なく継続することが重要。医療費対策として保険の検討も勧められる。
糖質制限とは?
糖質制限とは、ご飯やパン、麺類といった主食に多く含まれる「糖質」の摂取量を減らす食事療法です。血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの負担を軽減することで、糖尿病の血糖コントロールや肥満予防に役立つ方法として注目されています。
糖質が血糖値に与える影響
糖質は体にとって主要なエネルギー源ですが、摂り過ぎると血糖値が急激に上昇します。血糖値が上がると体はインスリンというホルモンを分泌し、余った糖を脂肪として蓄えます。このサイクルが繰り返されると肥満やインスリン抵抗性を招き、糖尿病の悪化につながります。
糖質制限は、糖質摂取を抑えることで血糖の上昇を緩やかにし、インスリンの負担を減らすことを目的としています。糖尿病患者にとっては血糖コントロールの改善が期待できるだけでなく、肥満予防や体質改善にもつながる方法です。
糖質の種類
糖質と一口に言っても、その種類によって血糖値への影響は異なります。糖質制限では、血糖値を急激に上げやすい精製炭水化物を減らしつつ、食物繊維や良質なタンパク質など体に必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
| 糖質の種類 | 含まれる食品 | 糖質制限での扱い |
| 精製された炭水化物 | 白米、食パン、ラーメン、うどん | 減らす対象 |
| 天然の糖質・食物繊維 | 野菜、果物、豆類 | 適度に摂取 |
糖尿病と炭水化物の関係について詳しく知りたい方は以下記事を参考にしてください。
糖尿病と炭水化物の正しい関係について解説!食事の工夫と最新治療まで詳しく紹介│リペアセルクリニック大阪院
従来のカロリー制限食との違い
従来の糖尿病食事療法は「カロリー制限」が中心でした。1日の摂取カロリーを年齢や体格に応じて設定し、その枠内で食事を管理する方法です。カロリーを抑えることは確かに体重の増加防止には有効ですが、糖質・脂質・タンパク質の割合が固定化されるため、食事の自由度が低いというデメリットもありました。
一方で糖質制限は「糖質量」に焦点をあてています。たとえば、脂質やタンパク質はある程度摂っても問題なく、むしろ満足感を得やすく、エネルギーも安定して補給できます。
| 項目 | カロリー制限 | 糖質制限 |
| 何を制限するか | 総カロリー量 | 糖質量 |
| 脂質・タンパク質 | 制限される | ある程度自由に摂れる |
| カロリー計算 | 必須 | 不要 |
| 食事の自由度 | 低い | 比較的高い |
| 満腹感 | やや低い | 保ちやすい |
つまり、従来の「カロリーを全体的に減らす」方法とは異なり、「糖質の割合を減らす」ことで血糖値をコントロールするのが特徴です。そのため、カロリー計算に縛られることなく、比較的満腹感を保ちながら続けやすいのも利点です。
なお、日本糖尿病学会が2024年に発表した糖尿病診療ガイドラインでは、糖質制限が6〜12ヶ月以内の短期間における血糖コントロール改善に有効であることが認められました。ただし、推奨グレードはBとされ、緩やかな制限が推奨されています(出典:日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2024)。
糖質を制限することで期待できる効果
糖質制限を適切に行うことで、糖尿病患者にとって様々な良い変化が期待できます。主な効果は以下の通りです。
・食後の血糖値上昇が緩やかになる – 血糖の乱高下抑制、日中のだるさ・眠気軽減
・インスリン抵抗性の改善 – HbA1c値の改善
・体重の減少 – 肥満を伴う糖尿病患者に有効
・間食欲求の抑制 – 血糖値安定による急な空腹感の減少
糖尿病における糖質制限のメリット
血糖値の急上昇を防ぐ
糖質制限は食後高血糖(いわゆる血糖値スパイク)を防ぐ効果があります。食後の血糖値が急激に上がると、血管の内側にダメージが蓄積し、動脈硬化のリスクを高めます。これが長期的に心筋梗塞や脳梗塞といった合併症につながります。糖質制限によって血糖値の上昇をゆるやかにできれば、血管を守ることにもつながるのです。
インスリン負担の軽減
糖質を摂取するとインスリンの分泌が不可欠になります。しかしインスリンが過剰に分泌され続けると膵臓が疲弊し、いずれはインスリン分泌不全に陥るリスクがあります。糖質制限によって必要なインスリン量を減らせれば、膵臓の負担を軽減し、長期的な治療の安定に貢献します。
体重管理・肥満改善につながる
糖質は摂りすぎると中性脂肪として蓄積されやすいため、糖質制限は肥満改善にも直結します。実際に糖質制限を取り入れた患者が、数か月で数kgの体重減少に成功する例も報告されています。肥満は糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症など生活習慣病全般のリスクを高めるため、糖質制限による体重管理は多方面での健康維持に役立ちます。
糖質制限の注意点とリスク
糖質制限には多くのメリットがある一方で、やり方を間違えると健康を損なう恐れもあります。安全に取り組むために、以下の点に注意しましょう。
栄養バランスの崩れに注意
糖質を制限するあまり、野菜や果物まで極端に減らしてしまうと、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足します。食物繊維不足は便秘や腸内環境の悪化を招き、むしろ血糖コントロールを妨げる要因になります。糖質制限は「糖質だけを減らす」のではなく、「栄養のバランスを意識する」ことが重要です。
極端な糖質制限のデメリット
「糖質ゼロ」や「糖質完全カット」といった極端な制限はおすすめできません。以下のようなリスクがあるからです。
・エネルギー不足:頭痛やめまいが起こる
・筋肉量の減少:体力が低下する
・集中力の低下:仕事や日常生活に支障が出る
特に活動量が多い人や高齢者の場合、体調不良につながるリスクが高まります。
医師・管理栄養士の指導が必要な理由
糖質制限は誰にでも万能な療法ではありません。腎臓病を合併している方や高齢の方は、タンパク質や脂質の摂取量にも制限が必要な場合があります。そのため、自己流で始めるのではなく、必ず医師や管理栄養士と相談しながら取り入れましょう。
糖質制限を取り入れる食事の工夫
糖質制限は無理なく続けることが大切です。ここでは、日常生活で実践しやすい具体的な工夫をご紹介します。
主食(ご飯・パン・麺)の工夫
完全に主食を抜くのではなく、量を減らしたり低糖質の商品に置き換える工夫が効果的です。
| 従来の食品 | 置き換え例 |
| 白米 | 雑穀米 |
| 食パン | ふすまパン |
| ラーメン | こんにゃく麺、豆腐麺 |
野菜・タンパク質をしっかり摂るポイント
糖質を減らす代わりに、タンパク質や食物繊維を意識して摂取しましょう。
おすすめ食品
・肉・魚・卵・豆腐(満腹感を得やすく、筋肉量の維持に役立つ)
・野菜を食事の最初に摂る「ベジファースト」も血糖上昇を抑える効果あり
外食・間食で気をつける点
外食や間食は糖質が多くなりがちですが、ちょっとした工夫で糖質制限を続けることができます。
外食時の工夫
・「ご飯少なめで」と注文する
・丼物を避けて定食スタイルを選ぶ
・ドレッシングやタレの糖質に注意
おすすめの間食
・ナッツ
・無糖ヨーグルト
・チーズ
・ゆで卵
どのような人に糖質制限が向いているか?
糖質制限には効果が期待できる人もいれば、慎重に検討すべき人もいます。ここでは、糖質制限に向いている人と注意が必要な人について解説します。
2型糖尿病患者への有効性
特に肥満を伴う2型糖尿病患者にとって、糖質制限は血糖改善と体重減少の両方に効果があるとされています。実際に多くの研究でHbA1cや体重の改善効果が報告されています。
高齢者や合併症がある人への配慮
一方で、高齢者や腎疾患を持つ人は栄養不足や健康リスクを高める可能性があるため慎重な判断が必要です。体力や生活習慣に合わせた柔軟な食事管理が求められます。
継続できるかどうかがカギ
糖質制限の成功は「続けられるかどうか」にかかっています。短期的に極端に制限してもリバウンドする可能性が高いため、主食の量を減らす、間食を工夫するなど、生活に馴染む方法を見つけることが大切です。
糖尿病保険のすすめ
糖尿病は長期的な治療が必要な病気であり、医療費の負担が続く可能性があります。食事療法や運動療法と併せて、経済的な備えも考えておくことが大切です。
糖尿病患者にとっての経済的リスク
糖尿病は「一度診断されると一生付き合っていく病気」とも言われます。
全国腎臓病協議会によると、血液透析の医療費は1ヶ月で約40万円、年間では約480万円かかります。日本全体では透析にかかる医療費は年間1兆6,000億円に上り、総医療費の4%を占めています(出典:全国腎臓病協議会、nippon.com)。
| 医療費の内訳 | 具体例 | 費用の目安(月額) |
| 定期的な費用 | 通院、検査、薬代 | 約5,000円〜20,000円 |
| 合併症の治療費 | 透析、レーザー治療、失明防止の手術 | 透析:約40,000円〜、手術:数十万円〜 |
こうした経済的負担は患者本人だけでなく家族にも大きな影響を与えます。
糖尿病でも加入できる保険の選択肢
従来は糖尿病患者が一般的な医療保険に加入することは難しく、加入できても条件付きや割高な保険料になることが多くありました。しかし近年では以下の選択肢が広がっています。
- 糖尿病患者向け保険
- 引受基準緩和型の医療保険
これらは通常より加入条件が柔軟で、持病があっても加入できる可能性が高くなっています。
保険で備える安心
糖質制限や運動など生活改善を続けても、糖尿病やその合併症リスクを完全に防ぐことはできません。万が一の入院や治療に備え、糖尿病でも加入可能な保険を準備しておくことで、経済的な不安を軽減できます。医療費の心配を減らせれば、より安心して生活習慣改善や治療に集中できるでしょう。
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まとめ|糖質制限を正しく活用するために
糖質制限は血糖コントロールや体重管理に有効な方法ですが、極端に行うとリスクを伴います。必ず医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
さらに、糖尿病は長期的な治療が必要な病気であり、医療費の負担が続く可能性があります。糖質制限をはじめとする生活習慣の改善とともに、糖尿病保険で経済的にも備えることで、安心して治療に向き合うことができるでしょう。
よくあるご質問(FAQ)
\ 万が一に備えて /


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